CHILIPEPPERS

2023年2月19日。


ついにこの日が来てしまった。

朝6:30に起きて、半身浴で精神統一をして、8:10発のグリーン車にのって東京ドームを目指した。

春一番が吹いて気温は5月並みに上がる、なんて聞いていたが、曇り空の空気は少し肌寒かった。

それでも、わたしは半袖のTシャツにマウンテンパーカーを羽織って出かけた。

少しでも身軽に、彼らの演奏を見たかったからだ。

グッズを買って、そのまま身につけようと思っていた。


9:00

東京ドームに到着すると、グッズ販売の列は既に長蛇の列。

椅子や毛布を持ち込んで並んでいる様子を見るからに、恐らく昨夜から並んでいる人もいたのだろう。

出遅れた、と思った。

ライブのグッズにこんなに情熱をかけるのは人生で初めてだった。

もちろん演奏が一番の目的だが、彼らがこのメンバーで、単独公演で日本にきてくれるチャンスは、もうないのかもしれない、と思っていたから、何かしらのグッズを形として残しておきたかった。

1時間並んでグッズ販売開始。

ところが一向に列が動かない。転売ヤーの大量買い占めのせいだということは後で知る。

そこからさらに2時間経過、後もう少しで順番というところで、売り切れる物も出て、異様な緊張感でテンションがおかしくなる。

そしてなんとか目的のパーカーをゲット。

まずは一安心。

曇り空のまま気温もあがらないお天気に体も冷え切っていたのですぐに着用。


開場までは3時間もあるので、雑な中華屋に入って暖をとりながら士気を高める。

いい感じにほろよいになってきたところで、東京ドームに戻る。

いよいよ入場だ。


5万円も払ってプラチナシートを手に入れたので、どんな席だろうとドキドキしていた。

事前の席配置情報では、微妙な位置のようなことも書いてあったので、実物を見るまでは。

まずプラチナシート専用入り口から入場、プラチナシート限定のお土産を受け取り、席へ。

本当に本当に東京ドームではあり得ないくらいの距離感の前方の席だった。

ややステージ下手側だが、前から9列目ほど。

否が応でも期待は高まり、テンションは上がり続ける。


そのテンションを本番にとっておくためにも、そこから少し仮眠をとり、お手洗いに行き、万全の体制を整えて、そのときを待つ。


そして17:30

時間ぴったりに東京ドーム全体が暗転する。

動悸がしてきて、うまく集中できない。

まさか。本当に、現れるのか。

大きな音とともに、彼らが入場してくる。

それは、もう、完全に本物だった。

私の知っている、本物の彼らだった。

もう涙は頬をつたっていた。

1曲目が始まった。

大好きな曲だ。

まわりは体を動かし頭をふっていたが、なぜだかわたしは、ただ見つめて立ち尽くしていた。


そこからアンコール含め2時間弱。

60歳のパフォーマンスとは思えない、圧巻のステージだった。


わたしが彼らを知ったのは高校3年生。

当時お付き合いしていた彼がバンドマンで、しょっちゅう聞いていたのをきっかけに、わたしもいつの間にか好きになっていたというベタなきっかけだが、夢中になった数少ないバンドだ。

メンバーがかわったり、聞かなくなったときもあった。

しかし、いま、私の中でのベストメンバーで、東京にきてくれた。

新しい曲をたくさんやってくれて、まるで、俺たちはまだまだこれからだぜ?と言わんばかりに。


もうこれで日本で単独公演を見られるのは最後だろうな、なんて杞憂だった。

ありがとう。

また会える日を、楽しみにしているよ。


小 瀬 友 美

ビールとダジャレがだいすき、ちょっと小粋なドリフシンガー小瀬友美

0コメント

  • 1000 / 1000